後期研修医の声

後期研修医の声

卯田 昌代

助教 (シニアレジデント)

同期ふたりと面接の日に同期がいると知り、さらに年度末に同期は増えました。友人の友人であり、他のハイボリューム施設に入局すると聞いていたので驚きました 半年以上経って、比較されることが多いためストレスの多い日ですが、比較される中で「自分は・・・」という部分に気付き、また、負けまいと頑張るところがあります。後者は自分の何よりも苦手なことですが、最初の経験としては良かったと思います。今の同じメンバーで仕事をする日はもう二度と来ないと思うので、毎日を大切にしたいと思っています。

遠藤 祐輝

助教 (シニアレジデント)

学生の頃から循環器に興味を持ち、研修医になってもその気持ちは変わりませんでした。しかし、心臓血管外科医を志すには覚悟と勇気が必要で、進路を決める際には、他分野の外科を志そうとした時もありました。まだ入局してから1年も経たず、出来ないことに直面すると、自分に憤りを感じ、凹み、その壁を越えられるよう努力するといった毎日が続いておりますが、今はこの分野に進んで良かったと思っています。 入局を決める際には、手技をやらせてくれそうな市中病院も検討し、一時期はそこに入局を決めていましたが、症例数も豊富で、なおかつ大学病院でありacademicな一面を持つ当院に惹かれ、当院に入局を決めました。病棟業務に手術・急患に加え、学会発表なども積極的に行い、本当に忙しい毎日が続きますが、充実した時間を過ごしています。 これから専門医制度も大きく変わり、心臓手術の施設集約化に進みつつある現在、心臓血管外科を志す上で、全力を尽くすにはとても良い施設だと思います。 同じ分野を志す皆様と一緒に働ける日を楽しみにしております

入江 翔一

助教 (シニアレジデント)

学生の時に初めて見た心臓の手術が弁膜症の手術だった。弁形成は外から殆ど見えなかったが、一旦停止した心臓が再び拍動し始める瞬間を目の当たりにし、シビれた。dinamicでcreativeな外科に憧れ、心臓外科医を志した。 しかし心臓外科はハードルが高い。一人前になるまでに時間がかかるし、責任が重大な上に仕事量も半端ではない。学生の間は逡巡していたが、初期研修で心臓外科を回った時に覚悟を決めた。山は高い方がいい。ハードルの高さよりも魅力が勝った。手術件数の多い病院を探して見学した。若手に積極的に執刀させる病院もあったが、最終的には教授のvitalityとpassionに惹かれてここで後期研修することに決めた。 当院の心臓外科の特徴として、大きく三つ挙げられる。まず手術件数が多く、症例に偏りがない。虚血性心疾患、弁膜症、大血管の開心術に加えて心不全治療としてVADや心移植も行っている。低侵襲治療としてステント治療やTAVI、MICS、末梢血管のPTA、coil塞栓も行っており、当科でできない手術はないと言える。また他院と提携して小児心臓外科の研修も行うことができ、後期研修として幅広く学ぶのに申し分のないプログラムが整備されている。ICUドクターは在中しているが、基本的な術後管理は当科で行っており、後期研修に術後管理は必須と考えていた自分にとって理想的な環境だった。 二つ目の特徴として、医局員の経歴が多彩であり、所謂派閥がない。そのため各々の術者に特色があり、一つの手技にしても多くの方法を学ぶことができる。執刀は基本的に講師以上の先生が行うため、若手が執刀できる機会は少ない。しかし第一、第二助手として数多くの手術に入ることができる。誰しも一人前になるために早く執刀したいと願う気持ちは理解できるが、果たして若い内に執刀することはそんなに重要だろうか。賛否両論あろうが、若い間は一流の先生の手術を見ることで得られることの方が遥かに多いと思われるし、何よりも患者さんにとって最善の医療とは何かを考えるべきである。 三つ目に大学病院ならではの強みがある。内分泌内科や腎臓内科、感染症科、脳神経内科・外科をはじめとして、術前後の管理に関わる多くの診療科と連携することができる。実際、透析患者や糖尿病患者は多く、他科との協力なくして治療は完成し得ない。また当院は初期研修指定病院であり、症例数的にも新専門医制度に有利である点や、研究・学位取得・留学が可能である点も大学病院の強みと言えよう。 さて実際に働いてみると、予想通り実に忙しい。後期研修一年目の仕事としては、病棟業務と第二助手が主な仕事であるが、当直、緊急手術、外勤、定期的なwet labo、勉強会、学会準備、論文作成と盛り沢山の毎日だ。必然、仕事の効率化と時間の有効活用が要求される。十年後、二十年後に自分はどうありたいか。自分の未来は自分の手で切り開くしかない。長期的な視点を常に念頭に置きながら、忙しい“から”ではなく、忙しい“のに”をmottoに修練に励みたい。 心臓外科に少しでも興味のある学生・研修医の先生は、兎にも角にも見学に来て頂けたらと思う。百聞は一見に如ず、その目で見て、感じてほしい。そして同じ志を抱いてくれたのなら―これ以上の喜びはない。