大動脈解離、冠動脈疾患に対するoff-pumpバイパス、lower-end sterna splitting(LESS)手術、弁膜疾患に対する小切開心臓手術(低侵襲心臓手術 Minimally Invasive Cardiac Surgery: MICS)など低侵襲の治療に特化し、大血管疾患に関しては、ステントグラフトを用いた血管内治療も行っています。
高度な医療機器が備わった最新のハイブリッド手術室を使用して、複雑な大動脈疾患にも対応しており、カテーテル治療と外科手術を同時に組み合わせた治療も数多く施行しています。 また、弁膜症の外科治療としては、上記、小切開心臓手術の他、弁形成術を積極的に行っており、全例に術後遠隔期の心臓超音波検査を行い、治療成績は良好であります。
当診療科は、外科手術の適応外とされる合併症等がなければ、低左心機能、慢性維持透析患者なども手術適応と考えており、特に維持透析患者の開心術は全体のほぼ10%に及びます。
重症心不全の外科治療も当科の重要な診療分野であり、内科的な治療では循環動態を維持できなくなった重症心不全に対して、常に補助人工心臓の植込みが可能な体制となっています。
補助人工心臓装着後も専門的な立場から心不全に対する内科的治療を継続し、自己心の回復を目的とした診療を行っています。
当院は心臓移植の認定施設であり、心臓移植以外では救命できない患者に対しては心臓移植手術を実施しています。また、植込型補助人工心臓の実施施設となっており、補助人工心臓を装着したまま自宅に復帰する退院プログラムも取り入れています。
このように当診療科は成人心臓血管疾患全般の多岐にわたる分野の外科治療を行っており、それぞれ高度な専門性を有する医師がおります。 患者様にとってベストな治療法を選択できるよう、心臓内科をはじめ、他科と強い連携をとり、診療から治療までを行っております。